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バイオテック

人間は60の「遺伝子エラー」をもって生まれてくる 50

ストーリー by hylom
問題は数ではない気もする 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

親から子へと遺伝子が受け継がれていくとき、遺伝子にはおよそ60の「エラー」が発生するそうだ(LiveScience本家/.)。

遺伝子に刻まれたこの「エラー」により、例えば両親と比較して異なる容姿となったり、その他の変化が生まれ、種を進化させていくという。研究者らは始め発生するエラー数が100にも200にも上ると予想していたそうだが、実際にはそれより少ない変異しか発生しないことが明らかになった。これは進化のスピードがより遅いということを意味しているとのこと。

また、精子を作るのにゲノムが複製される回数は卵子よりもずっと多いため、今までは突然変異はほとんど父親側で起きると考えられていたが、今回の研究ではほとんどの突然変異が父親側からくることもあれば、母親側の遺伝子にてより多くの突然変異が発生する場合もあることが明らかになったという。

この研究結果はNature Geneticsに掲載予定だそうだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by mametank (34797) on 2011年06月21日 19時11分 (#1974045)

    個体は,父親と母から,配偶子(精子と卵)を通して半分ずつの遺伝情報を受け継ぎます。配偶子に含まれる遺伝情報は,核DNAで約30億塩基対です。リンク先にもありますが,配偶子にエラーが含まれる率は,単純に考えて100万塩基につき1個です。配偶子を生成する際,DNAが何度もコピーされていることを考えると,非常に少ないエラー率だと私は思います。

    ただ,このエラーが,そのまま表現型の変異を生むわけではありません。DNAの30億塩基対うち,形質の発現や調整に直接関与している部分は,ごくわずかです。ここからは私見ですが,生物的に大変化が起こるようなエラーがあったとして,そういう個体は発生の段階で正常な発育ができず,死んでしまう可能性が高いと思います。特にほ乳類は,子宮内で長期間成長する必要があるからです。

    このような話題になるとき,特に一般向けの記事では,その変異が「遺伝子に起きた」のか「遺伝物質(DNA)のどこかに起きた」のかが明確でないように感じます。元のLiveScienceでもそうですが,日本でも,遺伝子なる用語を拡大して使っていて,この区別がつきにくくなっていると思います。私は,混乱の元になる用語は排除したいと考えていますが,代案があるでなし,教育を通じて少しずつ誤解を解くしかないかなあと感じています。

    • とある遺伝子が別の生物では別の機能を担っていたりする事から、遺伝子そのものの変異よりプロモーターやエンハンサーあるいは転写因子などの変異のほうが、生物進化への寄与が大きかったりしないかな・・・と何となく思ったり。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

       まさにその通りで、ごく稀に発生する生き残れる突然変異が、うまく環境変化に適合すると爆発的に増えます。
      ただまぁ、「ごく稀に発生する生き残れる突然変異」というのがミソで、放射線がその後生まれる子供に影響しないのもここに原因があります(だから、工作員が流す「今後福島を中心に奇形児が増える」っていうのはデマなわけです)。

      • 原因はいわゆる突然変異ではなく、発生期の被爆の影響ですが、
        放射線で奇形児が増えるのはデマではありませんよ。
        (だからこそ、妊婦は、X線検診を避けているのです)
        親コメント
        • by sumeshi0206 (12305) on 2011年06月21日 23時49分 (#1974231) 日記

          本当に?
          奇形児が産まれたときにX線のせいにしたくなるからではなくて?

          自分の子供が産まれるときに、一番思ったのは障害が無く産まれてくれる事。親は特に遺伝的に問題無いし障害も持ってないんだけど、まず第一に強く思ったのが健康で産まれてくる事で、男か女か頭が良いかどうかなんて2の次。そして健康に産まれて本当に良かった。
          子供が育っていく過程で大きい病院の小児科に行くと見かける障害児。なんとも言えません。

          親コメント
        • by Anonymous Coward on 2011年06月22日 0時29分 (#1974259)

          親コメントの方には釈迦に説法でしょうが、
          胎児本人が被曝することによる影響の有無と、
          放射線の影響が遺伝するかどうかの話が切り分けられてない人が居ますよね。

          妊娠初期の胎児への影響は大きいが、親の被曝による障害は遺伝しないようですね。

          親コメント
        • IAEAじゃなくてどこだったっけWHOか、『「先天異常を持って子供が生まれるのが怖いから妊娠中絶する」ってのが正当化されるのは100mSv以上の被曝』としていますね。 作業員を除けば、福島で100mSv以上被曝したひとは居ない、というか居るという報道はされてないですし。
          親コメント
  • 安心しました (スコア:4, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2011年06月21日 19時22分 (#1974055)
    良かった、我が子が妻の元彼に似ているのは60個の遺伝エラーによる事を確信した。
    • by Anonymous Coward
      血液型もたぶんエラーが原因ですね。
  • Nature Geneticsに論文が出ていますので本論に即してコメントを.(要旨 [nature.com])

    親子ともどもゲノムを読んだ論文は以前にもあったので何が新しいのかと考えていましたが,ホールデンの仮説である
    「配偶子由来の変異はオスからのものが多い」という仮説の検証に主題があるということです.
    ただし使用したのは2家系のみで,一方はほぼ父親由来の変異で他方は母親由来の方が多かったという結果ですが,
    決定的に父親由来の変異が多いということはないものの統計的に結論づけられるサンプル数ではありません.

    60という数が少ないことが驚きのような記事ですが,今回の論文では細胞の分裂時のエラーを除いて配偶子由来の変異だけを
    得るために保守的な検出手法をとっているので,少なめに出ても不思議ではありません.
    また,人種間および性別間での変異率の差異が大きいというこれまでの報告に対して,それほど違わないようだ
    (ヨーロッパ人の女性は変異しにくいかもしれないが)という結果を出しています.

    --
    kaho
  • by Anonymous Coward on 2011年06月21日 18時43分 (#1974028)

    ニュースで、白子の動物が生まれた。雌雄同体のカブトムシが見つかった。ってのがよくある。

    ずっと、そんなのこと、ニュース価値があるのかと思ってたんだが、
    もしかして、動物、昆虫の例をだして、こんなに奇形とは多いんですよ、
    だから、人間で奇形児、障害児が生まれても、よくあることなんですよ、と、
    まあ、ある種の教育的配慮から、この手のニュースが報道されているんじゃないかと、考えているんだが、考えすぎかな。

    • by Anonymous Coward on 2011年06月21日 20時09分 (#1974085)

      子供の頃養護学校の近くに住んでたので強く思うのだが、
      日本だと障害者と付き合う機会ってかなり少ない気がする。
      特に子供時代。

      たまにニュースになるかと思えば、障害児を普通学校に入れようとして揉める話だったりするし、
      ワイドショーやバラエティで「愛の○○」みたいな話題ばっか。
      生きていく知恵や技術を身に付けるためにも障害児は養護学校に通ったほうがいいとは思う。
      でも、お年寄りとの交流も大事だけど、普通学校の子と障害児の交流はもっと沢山あっていい。

      人は知らないものを警戒し、恐怖する。
      それは障害者に対しても同じ。
      見た目からして違う身体の欠損者は特に。

      聴覚障害者は見た目で障害がわからないけど、それはそれで苦労があるわけで、
      学習活動で手話習って、手話で会話して終わりなんてのは底が浅過ぎ、
      というのはちょっと言い過ぎかな?

      米国産ドラマで身体障害者が出演しているのを見ると凄いなと思う。
      まあ役者の層が厚いというのもあるのだろうけど。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2011年06月21日 20時41分 (#1974101)

        >聴覚障害者は見た目で障害がわからないけど、それはそれで苦労があるわけで、
        >学習活動で手話習って、手話で会話して終わりなんてのは底が浅過ぎ、
        >というのはちょっと言い過ぎかな?
        俺の知り合いに「聴覚障害者(先天性)」いるけど確かに見た目ではわからない。
        でもその人すごい。口の動きで何を言っているのかわかるって。スパイみたい。
        さらに耳がまったく聞こえないはずなのにちょっと聞き取りづらいがしゃべって何言っているかわかる。

        そんな俺は先天性の弱視。しかも車の免許が取れないレベル。でも国の障害者認定は受けられないからメチャクチャ不便。
        まぁそんなだから見た目では周りは障害者ってわからない。
        しかも腎臓も先天性で一つしか無い。(こっちも身障者扱いされない)
        >生きていく知恵や技術を身に付けるためにも障害児は養護学校に通ったほうがいいとは思う。
        でそんな俺は養護学校ではなくて普通の学校に小中高と通って専門学校も出た。
        俺の視力だと盲学校に入ることも可能だったらしいと後から知った。

        親コメント
      • by ishit (5783) on 2011年06月22日 2時33分 (#1974302)

        > 人は知らないものを警戒し、恐怖する。
        > それは障害者に対しても同じ。

        「統合教育」だったかな、障碍者とそうでない人を学校を分けずにいっしょの学級ですごす、
        というのがあって、ぼくは、小学校、中学校まで、そうでした。学校のどこかや、同じクラス
        とかで、ふつうにいると、そういうもんだということで、あまり特別に感じなくなります。
        もちろん、いじめや陰口はなくならないんだけど、そういう人が普通にいて、いっしょにいる、
        ということを、子供のうちに身をもって感じておくことは、有意義だと自分の経験から思います。

        # んで、中学校の途中で別の県にひっこしたら、そこの中学校が、「特殊学級」がないことを、
        # PTAにくる親(の一部)が自慢?するような、どうしようもない学校だったので、そのことを
        # こどもながらによけいに感じた思い出がありますね。

        --
        もうそういう時代でしょ。オール電波。
        親コメント
        • by Anonymous Coward

          そういう貴重な経験を得ながら「障碍者」なんて書くとは
          なんのための統合教育なんだかって話だね。

          変にお茶をにごす言葉を使わないで、きちんと障害者って書いてください。 by 障害者

      • by Anonymous Coward

        「人は知らないものを警戒し、恐怖する。」とありますが、知的障害者は知ってるがゆえに恐怖です。
        子供のころ、口喧嘩をしたことがあったのですが、お茶が大量に入った水筒で思いっきり殴られました。

        理性っていうものが働いていない人たちなので物事の善悪という判断がついていません。
        教師のほうも腫物にでも触れるような扱いでこちらがなだめられて終わり。

        大人になってニュースで彼らの話題を見るようになってもその構造は変わっていません。

        もちろん、軽度、重度の差はあって、すべての知的障害者がそのような事件を起こす訳ではありませんが、
        放射能と一緒でリスクはなるべく避けたいと思っていますし、社会生活をまともに送れない人たちをわざ
        わざ社会生活に交わらせては欲しくないと思います。

        でも、差別って言われるんでしょうね、こういうこと言うと。

        • 大人が殴ったという話なら善悪の判断がつかないという話は納得できるけど、
          子供が殴ったという話なら善悪の判断がつかないのが、
          障害者だからなのか子供だからなのかの区別がつかない。

          親コメント
        • by Anonymous Coward

          > 社会生活をまともに送れない人たち

          そういうのって,一見,健康そうな,
          健常者と言われる人たちにも,たくさんいますよね?

          私自身の身近にいる知的障害を持った少年は,
          障害の度合いが低いからなのか,育てた方々の
          影響なのか,もともとの性質なのか分かりませんが,
          粗暴な行為をしたことはありません。むしろ,公共の
          場所でのマナーは良いと思います。

          それにくらべて,一見まともそうな人たちの,
          なんとも浅ましい行為やマナーの悪さ,身勝手さを
          見ていると,どちらが「知的能力の欠如している人間」
          なのか分かりません。

          まともそうに見えて,まともじゃない人なんて,
          知的障害がなくても,たくさんいますよ。

          偏見もたいがいにして下さい。

      • by Anonymous Coward

        >普通学校の子と障害児の交流はもっと沢山あっていい。
        同意だが、普通学校の子と障害児の交流では、障害児よりも障害児の保護者との交流に重点をおいたほうが良いと思う。
        障害者自体が悪くなくても、障害者を意識した周りの人間や社会が悪になるってのがよく分かる。

        特に知的障害児。
        彼らは頭が足りないが、その周辺は健常者にみえてその実、彼らより性格と頭が悪いのが大半だ。
        そして子供は環境に染まる。あんな扱いでは、どんな健常者でも真人間になぞ育ちやしない。知的障害者が純真無垢だなど奇跡みたいな幻想だ。

        # 小学校の時に知的障害児がクラスにいたが、お陰ですっかり障害者とその周辺がダイキライです。
        # 彼自身は無言で人に擦り寄って来る位で多少辟易しただけだったが、教員のクソさが身に染みた。

        • 先天障害なんて遺伝と関係ないのに、なんでコメントが出てるのか分からんな。
          遺伝じゃなくて母体内での感染等でそうなるってこと知らないのか?

          --
          the.ACount
          親コメント
          • by Anonymous Coward

            >遺伝じゃなくて母体内での感染等でそうなるってこと知らないのか?
             え?感染等の病気のものと、遺伝と遺伝の欠損があることは理解しないといけませんよ。

    • 考えすぎじゃないかね。

      そんな「大いなる意思」みたいなものを長期に亘ってマスコミ全体で統一的かつ組織的に維持できるほど計画性があるとは思えない。

      #陰謀論ってのは大概そうだが

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      考えすぎ。
      単に「珍しいから」報道されてるだけでしょ。

    • by Anonymous Coward
      多いのか、少ないのかは 不明ですが 人間で奇形児、障害児が生まれる確率は 4%ぐらいです
  • by harako (114) on 2011年06月21日 22時17分 (#1974176)

    遺伝子に刻まれたこの「エラー」により、例えば両親と比較して異なる容姿となったり、その他の変化が生まれ、種を進化させていくという。

    そのエラーは種の多様化創出を実現するため元々想定されている機能の一部であり、決して不具合ではありません。ごく稀に、両親とは異なる体躯を持つ個体が生まれる場合もありますが、それがこの機能の持つ元々の正しい動作となりますので、仕様通りということになります。

    # ちなみに、うちは俺もカミサンも生まれながらの二重だけど、二人も子供たちはどちらも一重。

    • 二重は優勢、一重は劣勢でなかったっけ?
      harakoさんも奥さんも共にAaだったというだけの事で、エラーとは別件では。
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        他に考えられる可能性は?

    • by nim (10479) on 2011年06月22日 19時55分 (#1974773)

      > ちなみに、うちは俺もカミサンも生まれながらの二重だけど、二人も子供たちはどちらも一重。

      「生まれながらの二重」というか、新生児のころから二重な人は非常に珍しいと思います。
      うちの子もそうですが、成長に伴って二重になっていくケースも多いので、
      まだこれから二重になるのかも。

      親コメント
  • by loser(japan) (38750) on 2011年06月22日 7時28分 (#1974328) 日記
    僕がこんなに不細工なわけがないだろ?
  • by charlesberry (35107) on 2011年06月22日 11時32分 (#1974426) 日記

    遺伝子の決定論的な特性って、視力の遺伝だとかで感覚的には
    理解できるんだけど、エラーが発現するには環境の変化も大事だと
    思うんだけど。めまぐるしく変動する環境では発現する可能性も
    アップするわけで。

    エラー数だけで進化速度を考えるのではなく、
    環境変動を絡めて論じてほしい気がする。

    • by Anonymous Coward
      > 環境変動を絡めて論じてほしい気がする

      ちょうど日本で実験を開始したところなので、
      あと20年ほどお待ちください。
  • by Anonymous Coward on 2011年06月21日 19時14分 (#1974048)

    オレ、父親に全然似ていないんだ。

  • by Anonymous Coward on 2011年06月22日 0時22分 (#1974254)

    問題ない……(泣)

  • by Anonymous Coward on 2011年06月22日 15時07分 (#1974566)

    また、精子を作るのにゲノムが複製される回数は卵子よりもずっと多いため、今までは突然変異はほとんど父親側で起きると考えられていたが、今回の研究ではほとんどの突然変異が父親側からくることもあれば、母親側の遺伝子にてより多くの突然変異が発生する場合もあることが明らかになったという。

    前半部分は次のように書き換えられるハズで、そうであれば意味は取れる。
    ゲノムが複製される回数は卵子が作られる時よりも精子が作られるときの方がずっと多いため、今までは突然変異はほとんど父親側で起きると考えられていたが、

    ところが、後半の「今回の研究では」以降の意味がさっぱり分からない。文の流れから、突然変異の原因の割合がより母親側にあることがわかった、と想像はできるが、そうとは読み取れない。俺のパーサーの能力不足? もっと推敲してたれ込んでよ > たれ込んだAC。

    • by Anonymous Coward
      たれ込み人から編集者へとたれ込みが受け継がれていくとき、たれこみには
      およそ60の「エラー」が発生するそうだ(SuradoScience、本家./)。

      たれこみに刻まれたこの「エラー」により、例えば元ネタと比較して異なる内容となったり、
      その他の変化が生まれ、ネタを進化させていくという。研究者らは始め発生するエラー数が
      ほとんどないものと予想していたそうだが、実際にはかなり多い変異が発生することが明らかになった。
      これは進化のスピードがより速いということを意味しているとのこと。
    • by Anonymous Coward
      これ思い出したよ。

      ・犯人は20代から30代、もしくは40代から50代
      ・内部、もしくは外部の者の犯行
      ・犯人は男性といわれているが、女性である可能性も否定できない

      いやしくも科学者たるもの。あらゆる可能性を考慮しなければならないということか。
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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」

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