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バイオテック

DNAにも半減期がある 51

ストーリー by hylom
風化していく過去 部門より
taraiok 曰く、

映画ジュラシックパークでは琥珀に閉じ込められた蚊の血液から恐竜のDNAを採取し、恐竜たちをクローニングする。しかし、最近の研究により、この手段は不可能であることが確定した模様。オーストラリアのコペンハーゲン大学のMorten Allentoft氏、マードック大学のMichael Bunce氏らの研究チームは、MOAという名の3種の絶滅巨大鳥類の158本のDNAを含む脚の骨を調査したところ、DNAには521年の半減期があることが判明したという(nature本家/.)。

研究チームはMOAの解析により、521年経つとDNA骨格を形成するnucleotidesを結合する役割を持つ酵素が壊れ始め、さらに521年経過すると残りの結合の半分がなくなるという。例えマイナス5℃という理想的な保存温度環境で保存されていたとして、これが繰り返されると長くとも680万年後にはすべての結合が破壊される。DNAの読み取りは680万年よりかなり前の段階で読み取りが不可能になるとしている。

ただしオーストラリアのシドニー大学Simon Ho博士は「恐竜が生きていたのは65万年前で680万年前ではない。可能性はまだある」としている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • >MOAという名の3種の絶滅巨大鳥類

    3つの離れた場所から採取された、絶滅種であるモア [wikipedia.org]の骨

    >521年経つとDNA骨格を形成するnucleotidesを結合する役割を持つ酵素が壊れ始め

    短期には細胞が死ぬとすぐに酵素反応と細菌によってDNAの分解が始まる。
    長期には水との反応が支配的になる。(ヌクレオチドは酵素によって結合されているのではない!)

    >「恐竜が生きていたのは65万年前で680万年前ではない。可能性はまだある」

    680万年前というのは恐竜が生きていた6500万年前から遠くジュラシックパークは不可能だが、現在の最古のDNA配列復元記録である50万年前を超えることができるかもしれない。
    (恐竜は復元できないというバッドニュースではあるがが現在の記録は超えられそうというグッドニュースでもある)

    --
    kaho
    • by Anonymous Coward on 2012年10月12日 17時14分 (#2250202)

      オーストラリアにコペンハーゲン大学の国外キャンパスがあるのかと思って調べちゃったよ。

      デンマークです
      デンマークです
      だいじな(

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      taraiok氏も酷い("6.8 million years"を「680万年」と訳しながら、"65 million years"を「65万年」ってどういうこと?)けど、こんな凡ミスに気付かないhylom氏も酷い。
      あんたらは恐竜が65万年前に生きていたと思ってるの? 馬鹿なの?
      小学校からやり直せ。

      # masakun氏は呼んでませんのでお引き取りください。

      • by Anonymous Coward

        hylomはつい先日も120倍を12倍にした間違いを放置したばっかり。
        http://it.srad.jp/story/12/10/09/0923219/ [srad.jp]
        いい加減typoだけでは釣れなくなってきたので過激化が進んでるんですかね。
        # つーかマジ勘弁してくれ。はちまじゃあるまいし

        • by Anonymous Coward

          このような行為は以後、hylomize とでも呼ぶことにしよう。

  • by Meth610 (31617) on 2012年10月13日 4時34分 (#2250527)

    実験でDNAを扱っていましたが、

    ・生きた大腸菌にプラスミドの形で導入して維持する
      → 菌の世代が進むたび変異が入るのでダメ。冷蔵庫で分裂を抑えても数日~1週間が限度。

    ・大腸菌からDNA分子だけを抽出して冷凍
      → 分子自体の安定性の問題でだんだん壊れてくる。短期間の保存専用。

    年単位での長期保存の場合、大腸菌に持たせた状態でマイナス80℃保存、これしかないようです。
    ちなみに1本鎖RNAの場合だとさらに不安定で、マイナス80℃下でも半減期は半年だとか。

    # 凍らせた大腸菌は一度溶かすと再冷凍不可なので、一部のみを溶かして培地で殖やしてから使います

  • コナン (スコア:2, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2012年10月12日 16時34分 (#2250170)
  • by Anonymous Coward on 2012年10月12日 16時34分 (#2250172)

    ただしオーストラリアのシドニー大学Simon Ho博士は「恐竜が生きていたのは65万年前で680万年前ではない。可能性はまだある」としている。

    4*10-376ぐらいは調べられるよってことですね。

  • 結合が切れた DNA も、うまくすれば解析できる可能性がある。
    DNA は蛋白質とともに高度に折りたたまれているはずなので、
    その状態で固定されていれば、DNA の「並び」も維持されている可能性が高い。
    これを酵素的に結合・修復することができるかもしれない。
    修復しなくとも、末端から順に分解できれば配列を決定できるし、
    あるいは、原子間力顕微鏡で直接画像にして、構成塩基の並びを検出できるようになるかも。
    とにかく配列さえ決定できれば、現在の技術でも化学的に DNA を合成できる。
    あとは、最も似ている生物の DNA を、何世代か時間をかけて徐々に置換してゆけば、
    やがて絶滅した生物を復活させることができるかもしれない。

    nature の記事を読んだけれど、
    521 年で DNA の半分が壊れる (残り半分は壊れない) のではなく、
    521 年で DNA の結合 (ホスホジエステル結合) の半分が壊れる、となっている。
    そうすると、20 塩基 (配列決定に必要とされる最低塩基数) の長さを持つ DNA は、
    521 年で百万分の一 (2E-20 ≒ 10E-6) に減少してしまうことになる...。
    あれ、何か根本的に計算間違いしている気がする。
    計算の修復を誰か...。

    • by Anonymous Coward on 2012年10月13日 3時47分 (#2250519)

      DNAの折りたたみ状態も遺伝情報として機能する [riken.jp]らしいので、DNAだけ分かってもダメな可能性があります。
      っていうか親個体と子個体が相互作用して伝搬しうる数多の要素の一つに過ぎませんよDNAは。
      ミトコンドリアDNAなんかが本体のDNA配列には含まれていない事からもわかるけど細胞を構成するDNA以外の要素なんかは分裂前後に充足されるだけで全てDNAから合成してるわけではないし、哺乳類では顕著な親子の接触による情報的な遺伝なんかもDNAから生まれてるわけではない。
      その辺を無視できる程度に近縁と呼べる種が残ってればそっちで補完できるけど、そうでないなら復元は難しいね。
      だが人間でさえミトコンドリアDNAが変異してバリエーションがあるくらいなんで、たかが近縁種でその辺が復元できるとは思えない。

      上手く生存可能な個体が作れたとしても、絶滅種によく似た人工生物になっちゃうんじゃないかなぁ・・・

      親コメント
      • by aqz (45769) on 2012年10月13日 11時09分 (#2250587)

        DNA の折りたたみ状態などの DNA 外の遺伝情報は、iPS 細胞の技術である程度初期化できる。
        人工的に折りたたみ (クロマチン形成) もできるし、そもそもそのような情報のうち生存に重大な影響を与えるものはそれほど多くない。
        親から子へ伝播しうる数多の要素の中で最も重要なのが DNA。細胞を構成する因子は、基本的には DNA の遺伝情報を元に作られている。
        遺伝情報が変われば、いずれその遺伝情報を元にした因子に置き換わる。
        親子の接触による情報的な遺伝はとても重要だけど、おそらく生存に必須でない。(必須かどうかはわからない)
        その辺を無視できる程度に近縁じゃなくとも、同じ機能の DNA を少しずつ置き換えてゆけば
        時間 (世代) はかかるけれどもその遺伝情報に適応するだろう。
        生命は意外とたくましいので。(私たちの DNA には、すでにウイルス由来の配列がたくさん入っている。)
        ミトコンドリアも適応できると思われるけど、かなりの部分を宿主に依存しているから考慮する必要があるだろう。
        むしろ皮膚や腸内に住む共生細菌の違いがネックになるかもしれない。
        いろいろ技術的に乗り越えるべき課題は多くあるけれど、いずれ実現は可能だと思う。

        まぁ絶滅種を復活させることの倫理、野生化した場合の環境破壊等、いろいろ問題はあるけれど。
        生命の進化を解きほぐすにはとても有用であると思う。
        何より夢があるじゃん。
        手の届かないと思われたイトカワに手が届いたように、
        想像の中でしか会えなかった生物たちと現実に出会える日も意外と近いかも。

        親コメント
    • 521年の半減期から直接的に680万年が出ているのではないです。
      原著論文 [royalsocie...ishing.org]に出ていますが、温度とpHが理想的だった場合を仮定したときの分解速度を使って計算されたものです。
      半減期521年から計算された塩基あたりの年あたり分解率が5.5x10^-6で、条件が理想的だと数十分の1になるので、その下限の分解率の逆数をとって680万年となったのだと思われます。
      つまりどれほど理想的な条件にあったとしても680万年過ぎると1塩基もつながっていない状態になるという意味だと、私は受け取りました。

      --
      kaho
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2012年10月12日 16時55分 (#2250192)

    DNAそのものが残ってたら増幅はたやすいが、壊れてても
    構造の痕跡とか解析して塩基配列を情報として読み取れれば、
    復元は不可能ではないかと。

    • by Anonymous Coward

      521年後なら痕跡の半分は残っているので組み合わせればどうにかなる。(かもしれない)
      1042年後ならその半分が残っているので頑張ればどうにかなる。
      しかし680万年後は痕跡が全部壊れているので解析不能ということではないでしょうか?

  • by Anonymous Coward on 2012年10月12日 17時27分 (#2250217)

    オーブリー・デ・グレイ「ヒトは1000歳まで生きられる(キリッ)」

    DNA自体が壊れてしまうのではな

    • by Anonymous Coward on 2012年10月12日 19時16分 (#2250316)

      大賀ハス [wikipedia.org]
      が開花できるんだから、1000年位大丈夫では?

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      生きていればDNAは修復されるんでね?
      炭素14だって生きてるうちは比率は一定だろ(呼吸するから)

    • by Anonymous Coward

      産まれてから死ぬまで同じDNAがずっと体内にあるわけじゃないからそこは別の話かと

    • by Anonymous Coward

      文盲「DNA自体が壊れてしまうのではな(キリッ)」

      死後の話してるのにな

  • by Anonymous Coward on 2012年10月12日 22時22分 (#2250425)

    DNA断片を鳥ので補完していたのは気のせい?

    • by Anonymous Coward

      完全な鎖を造り上げるため、鳥、爬虫類、両生類のDNAを使ったこともある。

  • 細胞の中の遺伝子情報も、もともとはミトコンドリア内にあった遺伝子情報が、保存性の高い細胞核内へ世代を経るにつれて移っていった。
    情報の保存性で言えば、細胞核内よりもコンピューター内のほうが優れているだろう。
    また、情報を複製する能力もコンピュ-ター内のほうが優れているだろう。
    古代の細胞から得られた遺伝情報が、コンピューターによる分析・保存などを経て、未来によみがえるとするのなら、
    これは、新しい遺伝情報の遺伝や進化の経路と言えそうだ。
    遺伝子を含めて、情報の進化の要件として「DNAを使わねばならない」などとはどこにも書かれてはいない。

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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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