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サイエンス

東大・分子細胞生物学研究所発の論文で多数の改ざんが発覚 58

ストーリー by hylom
バイオ分野ではなぜこういうことが多いのか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

東京大学・分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授らが発表した論文で、多数の改ざんやねつ造があったことが発覚していたという。東大側は調査の結果、論文43本について撤回が妥当としている(MSN産経ニュース)。

毎日新聞によると、同教授の研究室には最大50人以上が所属し、メンバーを複数のグループに分けて「競い合わせて」いたそうだ。教授はNatureやScience、Cellなど有名な科学誌への投稿を研究室のメンバーに課し、厳しい要求をしていたという。また、研究者が出したデータについては「性善説」で裏付けを求めることはしなかったといい、その結果このような大規模な改ざんにつながったようだ。

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  • 研究者、ひいては、学術を生業としている皆様に私からのお願いがあります。
    どうか、これからも、甘い誘惑に負けないでください。

    考古学の分野で教科書の内容を訂正するくらい大きな事件があってから、
    私はこのような記事を見るたびに悲しくなります。

    科学が信用に足るものでなくなってしまったら、
    新しい発見やものに対するワクワク感のない
    味気ない世界になってしまいます。

    --
    【犀の角のように進みたいけどムリ】
    • by Anonymous Coward on 2013年07月26日 19時19分 (#2429267)

      今の文科省系列の研究者の業績評価システムを再構築しないと無理でしょ。

      ・「ここ数年での」外部資金獲得額
      ・「ここ数年での」論文引用数
      ・「ここ数年での」マスコミに取り上げられた実数

      I.Fの数え方もこれそうなんだもの。あれ、研究者の評価システムとしてよく使われるけどダメダメすぎるだと思うわ。
      まあ、過去の業績に胡坐かくような重鎮を下げたいのだろうけどねぇ。
      「ここ数年での」に限る理由が意味不明。 医学・生物系では研究の再利用は短い時間スケールで回るけど。
      研究分野によっては10年から数十年たってから再評価なんてよくあるのに、一律評価。
      でもこれ、正当な評価を与えないといけない、とかなると、誰が評価機関になるかという問題が。
      数学系とか「数世紀の間忘れられていた定理の証明」とかがいきなり表舞台に出たりするし。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2013年07月26日 23時15分 (#2429421)

        査読委員がさぼりすぎでしょ。とはいえみんな忙しいしね。
        査読したら謝礼を出すくらいしないと、もはやロハでやるには時間が無さすぎる。

        つーか、それら論文の査読した研究者の名前を公表しちゃえばいいんだって。

        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2013年07月27日 1時51分 (#2429460)

          最近、査読が立て続けに回ってきてるよ。俺もテニュトラの詰めで忙しいってのにorz
          特にインド系、とんでもねえ低レベルの論文を乱造してる。
          途上国が教育に力入れ始めた結果がコレだよ。
          科学が高度になりすぎて細分化されて、天才以外の大多数の研究者が枝葉をつついている状態なのはわかるけど、
          このままではトンデモを引用してトンデモを再生産することになりかねん。
          (いい例が、ES細胞の捏造のせいで再生医療の研究が遅れたって話ね)
          短期間の成果主義とか、そういうのを改めて、じっくりと熟成させた論文書かなきゃ自然科学の体系に綻びを生じさせかねないぜ。
          何が言いたいかって言うと、俺にもパーマネントのポストをってことだ。

          親コメント
          • by Anonymous Coward on 2013年07月27日 12時11分 (#2429587)

            一部同意だが、パーマネントのポストを得た途端研究しなくなる教員が今までわんさかいたから
            そうなったという背景もあるわけで(というよりは景気が悪いからという要因が強いのかもしれんが)
            個人的には、パーマネントのポストでも保障される給料は助教の一番安いくらいのもので十分で、あとは
            発表論文の本数だとか引用数とかで給料を増やせばいいと思う。
            あと、競争的資金として獲得した予算の一部を自分の給料にできるという制度も必要。

            親コメント
            • by Anonymous Coward on 2013年07月27日 16時18分 (#2429674)

              >> パーマネントのポストを得た途端研究しなくなる教員が今までわんさかいたから
              >> そうなったという背景もあるわけで(というよりは景気が悪いからという要因が強いのかもしれんが)

              …にしても,現状の制度は完全に破綻してるよね.
              過去の業績があったのかどうかすら怪しい年寄連中が「若い人は大変だねー」と隠居生活してて,第一線で業績出してる若手~中堅の研究者はずっとふるいにかけられ続けてる.しかも,その「ふるいにかける」ための評価をする側が,そういうダメ世代の連中だったりするわけで.
              パーマネントポストで研究しない連中が問題なら,そいつらをクビにする方法を検討すればいいのに,なぜか,そいつらの負の遺産に未来のリスク回避分まで加えて現役世代が全部負わされるという理不尽さよ.

              親コメント
              • by Anonymous Coward

                小出助教みたいに、研究せずにほかのことにかまけてても生活保障されているもんな。助教なんて若いものにさっさと譲るべきポストなのに。
                こういうやつがいたから任期制にって話になってきたんだよね。

      • by Anonymous Coward on 2013年07月26日 21時07分 (#2429347)

        他の研究者の捏造を発見したら科研費100万円、とかすればチェック機能は向上する。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        トータルの評価も大事だと思うけど、
        本業しないでおかしな委員会活動に血道をあげて
        数年論文を書かない研究者とかざらだもの。
        そういうのを「研究」者と呼んでいいかすら疑問だけど。

    • by Anonymous Coward on 2013年07月26日 22時19分 (#2429398)

      研究者が人間である限り、これからもこのような事件は決して無くなることはないでしょう。
      しかし、対象が科学である限り、このように必ず発覚するでしょう。

      一部の研究者がいくら改ざんや捏造をしようとも、他の研究者が追試すれば偽りは発覚します。
      出鱈目な成果を発表しても、実際に役に立たなければ見向きもされません。

      そうそう科学が揺るぐとは思えない…と思いたいなあ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2013年07月26日 20時43分 (#2429328)

      >科学が信用に足るものでなくなってしまったら、

      科学が信用出来ないのではない。
      信用出来ない研究者がいるだけだ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      誰?

    • by Anonymous Coward

      > 科学が信用に足るものでなくなってしまったら、
      科学は信じるものではなく疑うものだ。むしろそういう態度こそが捏造を助長する。

    • by Anonymous Coward

      自分の発表内容には(能力足らず故の誤りはあれ)嘘偽りはないと断言できるが、
      ノルマで課された「ボスの研究」は嘘偽りがてんこ盛りどすえ。

  • ボスの責任 (スコア:3, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2013年07月26日 19時07分 (#2429260)

    この種の問題は部下に無用のプレッシャーを与え続けるボスに責任がある
    ボスは知らなかった、ボスが直接捏造に手を下したのでは無いという言い訳は通用しない

    基本的に科学研究の多くは検証実験などされない
    それでも必ずいつかはウソはウソとばれるから、科学の世界では「性善説」が成り立っている
    ただし医学・薬学系や人命に大きな影響を与えるような研究分野などでは厳しく検証がおこなわれるべきだと思う

    • by Anonymous Coward on 2013年07月26日 22時14分 (#2429395)

      http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20130322/ [hatena.ne.jp]
      このフレクスナーの論文を読んで、科学者の性善説を成り立たせるには「有用性」とか「役に立つ」とかいう錦の御旗にとらわれることなく、自由に好奇心を発揮できる環境が必要なんじゃないかと思った。こういう現状の違いがあるなら、そりゃ海外に日本の頭脳が流出するよなー。

      親コメント
    • Re:ボスの責任 (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2013年07月26日 20時28分 (#2429315)

      東大のT元教授のところとは違ってアカハラまがいのことをしていた自覚はあるようです。
      このインタビューで言うように本当に知らなかったとは思いませんが・・・
      (競っているなら別グループが不正を報告するチャンスはいくらでもあったので)

      >加藤氏は「研究費に見合う、世界で通用する成果を出さないとダメだ」と圧力をかけ、
      >メンバーを3〜5の小グループに分けて競い合わせた。

      > 加藤氏は「僕の要求が厳しかったので、メンバーがついてこられなかったのかもしれない。
      >“性善説”の研究室だったので、互いにチェックすることがなかった。自分は管理者として失格だった」
      >と肩を落とした。
      毎日新聞 [mainichi.jp]より)

      一部には図表のフォトショップでの加工みたいなこともやっていたようなので、その程度で
      あれば技術的に検証可能なシステムを用意したほうがいいかもしれませんね。それができたら
      できたで悪意を持って回避する人も出てくるでしょうが・・・

      親コメント
      • by marupeke (6599) on 2013年07月26日 21時57分 (#2429381) 日記

        (競っているなら別グループが不正を報告するチャンスはいくらでもあったので)

        そう、それはこのニュースを聞いたときにたしかに思った。
        競争する環境自体がよくないとは思わない。

        ほかの研究グループの成果に目をやることさえできないくらい忙しかったのか。
        ボスが実験結果をよしと言えば、誰もそれに疑問を挟めないような雰囲気だったのか。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          「競いあって」なかったんでしょうかね
          入札システムに対する談合のような状況だったのかも

        • by Anonymous Coward

          競い合うといっても、論文の数と掲載先の格くらいでしょ。
          複数のチームが同等のプロジェクトに従事していたとは思えない。
          金と時間と労力の無駄だから。
          プロジェクト間の関連性も緩かったのかもしれない。

          だとしたら、チーム間の意思疎通の機会はミーティングくらいで、データの共有なんてありえない環境は容易に想像できる。
          そうしたら、チェックしようにも出来なかったのかも。

    • by Anonymous Coward

      いやリーダーの責任は裏付けもなく発表したことにたいしてだろ
      競争なんて多かれ少なかれどこでもやってるんだから
      むしろ医学や人命に関わる事こそ競争激しくして技術レベル上げないと
      その為のチェック機能が働いて無かった事と
      グループの人間の捏造でも良いという倫理観無さと目先しか見てない考えが駄目だっただけの話

      • by Anonymous Coward on 2013年07月27日 6時01分 (#2429493)

        なかには、積極的に責任を放棄して、
        学生が根負けするまで、ものすごい気力で説得しようとする妖怪みたいな教授もいますね。

        A院生「ですから、もうこれだと新規性がないことが判明していて……」
        O教授「研究なんて十人やれば十人違う結果が出てくるものなんだ」
        A院生「……具体的にはどうすれば?」
        O教授「君の研究なんだから君が考えることだろう?」
        A院生(絶句)
        O教授「研究なんて論文数が全てなんだ。出せ。出さないと君はどこにも行けないぞ」
        A院生(……どうしよう。このままだとインチキ論文を書くしか)

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          もしやあなたは僕の先輩か後輩なのでは!?

          • by Anonymous Coward

            それを確認するために研究室名を言ってみてください。
            #当たったらビンゴって言います。
            #外れても次のヒントを出します。わりと内情暴露に乗り気だったり。

  • by Anonymous Coward on 2013年07月27日 4時34分 (#2429483)

    https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/mbals2009/dl.html [yodosha.co.jp]
    微妙なデータをどう表現するか
    加藤 茂明(東京大学分子細胞生物学研究所)

    こんなセミナーしといてなぁ・・・

  • 誤用 (スコア:-1) (スコア:3, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2013年07月27日 10時18分 (#2429549)

    また性善説の誤用かよ
    性善説は人は生まれながらにして善、後天的に悪を身につけるってこと(孟子)
    性悪説は人は生まれながらにして悪、後天的に善を身につける(荀子)

    信じるべきか疑ってかかるべきかは、性善説も性悪説も無関係

    • by Anonymous Coward
      俺も誤用がすごく気になった。
      どちら説にも人間は環境/教育によって善にも悪にもなりえるという大前提があって
      性善説、性悪説で行動を議論できえるのは幼児だけだ。
  • by Anonymous Coward on 2013年07月26日 21時04分 (#2429345)

    DJ iPS こと森口尚史 元東京大学特任教授、今どうしているのか
    気になって調べたらこんな事をやっている。
    http://ch.nicovideo.jp/hisashi-moriguchi [nicovideo.jp]

    古巣での事件ですよ。何か書きましょう。
    いつやるの? 今でしょ!

    • by Anonymous Coward

      古巣なんだ。
      元々、そういう文化の研究室なのか。怖ろしい。

  • by minet (45149) on 2013年07月26日 19時02分 (#2429255) 日記

    競争原理は性善説との相性が悪いという結果が得られたのですね。
    これを研究して論文化して欲しい。

  • by Anonymous Coward on 2013年07月26日 19時46分 (#2429287)

    追試ですぐばれるような奴とか、自分で遺跡に埋めに行っちゃってばれるような奴とか、本体の作用にはなにも問題ないのに、副反応でデータ偽造して混乱させたり。 [yomiuri.co.jp]

    高血圧の効果には、偽りないけど、現場では投与中止したり混乱。

  • by Anonymous Coward on 2013年07月27日 3時21分 (#2429476)

    今すぐ役立つものを作れとか、今すぐ役立つ研究しろとか。
    何の役に立つかわからないけどもしかしたら役に立つかもしれない技術を持った人や、いつものになるかわからないけどもしかしたら将来役に立つかもしれない研究をしている人を食客として囲っておけないなんて、そういうの、国としてちょっとどうかと思う。

    • by Anonymous Coward

      すぐに役に立つなら民間で研究すればいいわけだしねぇ。

  • by Anonymous Coward on 2013年07月27日 3時51分 (#2429478)

    大きなスキャンダルになったものとして、以下がよく知られている
    ヘンドリック・シェーン (事件) [wikipedia.org]

    #紹介だけなので、コソコソと匿名の臆病者として投稿

  • by Anonymous Coward on 2013年07月28日 2時02分 (#2429852)

    「系全体に適用する対策」は,よーくよく考えないと逆効果になることがあるのさ.

    実際,アブラムシ対策で農薬まいて,アブラムシ増えたーってのが昔あったのさ.
    # アブラムシよりも数の少ない天敵のほうが農薬の影響を相対的に多く受けるしね.

    悪い研究者を退治~っていろいろやる気持ちはわかるが,研究者はみんなで相互に絡み合った系なんだぜ.
    そこへ一律にルールを設定して,逆効果になるっつうのは十分に有り得る話.

    対処療法は,時に事態を悪化させる.
    覚えておこうな.

    • by Anonymous Coward

      そういう理屈で役人や官僚がはびこるわけだが。
      まあ私もこういう出来事にいちいち「対策」を講じるのには反対なのだけど
      それは単純に「痴漢をなくすために社会全体が取り組む」ような的外れ感がぬぐえないからであって
      やらかしてしまうどーしようもないクズは救いようがないと思っているからでもある。

      ゴッドハンドは社会的地位のすべてを失ったようだが
      今度のコレでやらかした連中はその後ものうのうと研究を続けるんだろ。役人どもと同じに。

      • by Anonymous Coward

        そういう理屈で役人や官僚がはびこるわけだが。

        そうなんだよねえ.何もしないとそうなっちゃうし,かといっていい加減な対策をすると

            「角を矯めて牛を殺す」

        ことになるのが頭の痛いところ.
        こういうときの賢い方法論,無いもんかね.

        ゴッドハンドは社会的地位のすべてを失ったようだが今度のコレでやらかした連中はその後ものうのうと研究を続けるんだろ。役人どもと同じに。

        そういう人がのうのうと生き延びるかどうかはその業界や地域の文化みたいなものに大きく依存するのだが,どうも医学/生物系はこのあたりのモラルがしっかりしていないように見えるので心配だよな.

  • by Anonymous Coward on 2013年07月27日 0時51分 (#2429451)

    NHKのサイトでこの事件と東大教授逮捕の事件が並んでたからインパクトが凄かった
    そっちの方は「医学とIT融合目指した第一人者」だそうな

  • by Anonymous Coward on 2013年07月27日 16時45分 (#2429679)

    悔しい・・・!でもよくある事と感じちゃう (ビクンビクン

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目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

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