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オーストラリア

豪クイーンズランド大のピッチドロップ実験、9滴目が落下する前に折れる 41

ストーリー by headless
失敗 部門より
オーストラリア・クイーンズランド大学のピッチドロップ実験では間もなく9滴目が落下すると予測されていたが、24日にビーカーを交換しようとしたところ、途中で折れてしまったとのこと(UQ Newsの記事ねとらぼの記事)。

この実験は粘性の高い「ピッチ」のしずくを漏斗から滴下させるもので、しずくが落下するまでには10年前後を要する。クイーンズランド大学の実験は1927年から続く世界最長の実験として知られるが、これまで落下する瞬間の撮影には成功しておらず、昨年アイルランド・ダブリン大学トリニティカレッジの研究チームに先を越されている(/.J記事)。

クイーンズランド大学の研究チームでは、実験を今後80年継続するためにどうすればよいかという議論を数年間続けた末に、しずくを受けるビーカーを交換してスペースを作ることを決断したという。そのため、以前落下したピッチに9滴目が貼りついてしまう前に漏斗を持ち上げ、新しいビーカーに交換する計画を立てた。しかし、装置を覆うベルジャーを持ち上げたところ、木の台が揺れてしずくが折れてしまったのだそうだ。残念ながら9滴目は折れてしまったが、ビーカー交換後にベルジャーの内側を掃除することができ、曇りが取れて実験がよく見えるようになったとのことだ。
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 4月17日に9滴目がビーカー内の8滴目と衝突 [itmedia.co.jp]して、いよいよこれから完全に落下するところが確認できるはずだったのに、何でこのタイミングでビーカーを交換しようとしたのか?
    ビーカーを交換するなら完全に落下してからにすればよかったのに。

    --
    I'm out of my mind, but feel free to leave a comment.
    • by Anonymous Coward on 2014年04月26日 12時32分 (#2589355)

      一つ前の滴と接触した状態だと力学的影響が出そうなので
      直後に対策しようとして失敗したという事ですね。

      実験してみないとどんな問題が起こるか分からないと言いますが、
      そもそもビーカーまでの距離が短くてギリギリだったとか、一つ前の滴の形がまだまだ保たれている事など、
      実験を始めた当時は思いつかなかったように思われます。
      実験失敗だと言う人も多いでしょうが、どんな失敗が起こったかの記録というのが
      将来、貴重な財産になるんですよね。

      経年変化の知識は技術者にとって欠かせないにもかかわらず中々身に付かない物ですが、
      この実験の動画を見ただけでも多少は認識が深まるように思えます。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        実験ノートは(失敗も含めて)ちゃんとつけましょうということですね。

    • by Anonymous Coward

      記事中にも触れられているアイルランド・ダブリン大の実験でも滴下の前後で漏斗の高さが変わっていて
      滴が思いの外伸びてしまい、ちゃんと滴下しないのを嫌って滴がきちんと離れるのを見せようとしたっぽい感じの映像になってました
      それを鑑みるに新しい実験デザインはもうちっとその辺に配慮してもっと十分に高い位置へ配置しなおしたらよいのにと思いました

  • 折れる (スコア:4, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2014年04月26日 11時08分 (#2589323)

    >しずくが落下するまでには10年前後を要する。

    研究者の心が折れたのかとおもった

  • 公式サイト (スコア:2, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2014年04月26日 13時32分 (#2589376)

    滴が垂れ下がっていたロゴ画像から
    ぽっきり折れた画像に変わってますね

  • by hinatan (24342) on 2014年04月26日 20時08分 (#2589485) 日記
    の人に任せれば失敗しなかったのに。
  • 24時間監視までしてるのに、作業中に限ってビデオカメラ回してなかったって事はないよね
    折れたら折れたで、それもまた興味深い映像になりそう
    あと、いつも思う(俺的に大した問題でもないので、次の瞬間に忘れるけど(笑))んだけど、実験開始時にどうやって漏斗に注ぐの?温度上げれば扱いやすい粘度になるんでしょうか

  • by Anonymous Coward on 2014年04月26日 10時10分 (#2589296)

    液体なのに折れるのか

    • by AnamesonCraft (46460) on 2014年04月26日 10時23分 (#2589298) 日記
      ガラスなんかも実は液体だけど充分に硬いんで割れますわな。
      ふるーい教会のステンドグラスは流れて下の側が厚くなってたりするんだよ。
      親コメント
      • Re:液体 (スコア:5, 参考になる)

        by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2014年04月26日 11時35分 (#2589333) 日記

        ステンドグラスの厚みに関しては既に他の方がコメントしていますが,1000年そこいらでは見えるような変化は起こりません.粘性から行くと,それこそ数千万年だの数億年だのが必要になりますので……
        #もしかしたらそれでも足りないかもしれない.

        >ガラスなんかも実は液体

        ここの部分も実はそう単純ではなかったりします.
        ガラス状態というのが「非常にゆっくり流れる単なる液体」という見方は実は間違っています.
        緩和時間が有限温度で発散してみたりと,「何か違うことが起こっている」ためです.
        #まあ,「液体のある一瞬の構造を取り出したもの」と「ガラスの構造」を比較すると,ほぼ区別できない程度によく似ているのも確かですが.

        例えば「周囲の原子によって原子の運動がロックされる.互いに運動をロックし合うことでデッドロックな感じになり,全体の運動が固まる」というようなモデルもあり,粉体の流動性と固体化(ジャミング転移)との類似などが理論的・実験的に議論されていたりします.

        ガラス状態をある種の熱力学的な相であると見なす立場も(少数派だったと思いますが)あって,何らかの隠れた秩序変数がある(粘性の発散などで見えにくくなっているが,何かの物理量が秩序化している)とする一派もあります.この考え方の場合,液体相とガラス相は,見た目が一見似ているものの,実は全く別なもの,という事になるでしょう.

        「空間的な物理量ではなく,時間方向で見た場合の物理量(の挙動)が秩序化している」とかいろいろと面白い話もあり,このあたりはまだまだ愉快な物理が隠れている息の長い研究分野です.
        いくつかの仮説や理論はあるんですが,ガラス状態で起こる数々の異常を全て説明できる理論はなく,未だに正体不明なままなんですよね.

        そんなわけで,「液体みたいなもの」という言い方は正しいのですが,「遅い液体」と言い切ってしまうと不正確になっちゃうよ,と.
        #多分物性系とか以外の人は全く気にしなくて良い違いでしょうが.

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          なるほど。
          このピッチはどっちなんだろう?
          やはり液体とはいえないのかな?

          • by Anonymous Coward
            「ガラス転移温度がギリギリ常温以下なので液体状になっているアモルファス」としか言えないんじゃないかな

            この論文のFig.5 [jst.go.jp]を見る限り、コールタールピッチは15~55℃の間くらいにガラス転移点を持つみたい
            重質のピッチは常温ではいわゆるガラスになってる
      • >ガラスなんかも実は液体だけど

        ガラスのまめ知識/濱田特殊硝子/大阪の特殊硝子(ガラス)販売・製造・加工会社 [hamatoku.co.jp]

        ふつうの個体(結晶)は分子が規則正しく並んでいますが、個体のように見えるガラスの分子は、液体のように勝手気ままな方向に向いているため、ガラスは固まっていても液体と分類されていました。しかし、最近では考え方が変わってきています。

        「ガラス=液体」はいささか無理があるようで、最近では「過冷却状態を経由してガラス状態になったもの」という考え方になってきています。ガラスを定義するのに「ガラス」という言葉を使っているため、たいへん分かりずらくなっていますが、簡単に言いますと「ガラスは液体のような性質を持った固体のようなものである」ということになります。

        液体ではないけれど、固体と断ずることもできない。ガラスの神秘

        --
        モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
        親コメント
        • 化学系の研究室に置いてあった長いガラス棒/管(ガラス細工の材料)は斜めに立てかけておくと自重で曲がってしまうので、斜めに立てかけないよう、研究室では注意されてしました。

          実際に曲がったガラス棒を自分で見たわけではありませんが、ガラスが長い時間で、変形することは恐らく間違いないのでしょう。

          ただし、ステンドグラスのように、比較的小さい枠に嵌まった板ガラスが自重のみで、目に見えるほどの変形を起こすかどうかはわかりませんが。

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          • by Anonymous Coward

            戦中から放置されている廃屋なんかでも、ガラスは形状を保っているし
            割れた角も鋭いままなので、その程度の期間では変形を期待・観測できないのでは?

            • by Anonymous Coward

              長時間の荷重による塑性変形ってのはクリープ現象といって結構一般的な現象です。
              ただ、荷重(応力)と時間・歪みの関係は線形でなかったと思います。
              あと、長物のたわみはわかりやすいのです。
              ま、条件次第、というしかないでしょう。

              ただ、そもそもとして、結構一般的と書いたとおり、金属やコンクリートでも起きますので、クリープする事が液体を意味しなかったりしますが。

      • Re:液体 (スコア:2, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2014年04月26日 10時36分 (#2589304)

        それは都市伝説。教会のステンドグラスの下が厚くなっているのは単に当時の製造技術の制約によるもので、時間をかけて「流れた」からではない。

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        • by AnamesonCraft (46460) on 2014年04月26日 10時46分 (#2589309) 日記
          都市伝説だったのか…。
          でも、手吹きって均一にならないだけで下に流れたりはしなくない?
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          • by Anonymous Coward on 2014年04月26日 11時02分 (#2589317)

            当時の板ガラスの作り方は、まず熱したガラスを金属棒の先端につけ板や床の上に垂らして、程よく平たくしたあと、棒を中心に空中で回転させることで伸ばす。ピザ生地みたいなもん。ここで円周方向に厚みの差がつく。
            最後に切り出して出来上がり。

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  • by Anonymous Coward on 2014年04月26日 19時06分 (#2589468)

    「豪クイーンズブレイドの大ビッチドロップ実験」に見えた

    #想像もつかない実験だ

    • by Anonymous Coward

      ビッチドリップに見えました
      うれしいのかうれしくないのか…

  • by Anonymous Coward on 2014年04月27日 6時58分 (#2589585)

    そろそろという時になると起こるというのを繰り返すんだろうな。

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ナニゲにアレゲなのは、ナニゲなアレゲ -- アレゲ研究家

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