人を説得する際に科学的事実を並べるのは無駄? 124
日本だと放射能関連がこれに当てはまる雰囲気か 部門より
気候変動や進化論を頑なに否定する人は未だに多く存在する。Pew Research Centerの調査によれば、米国では33%の人が進化論を、26%が気候変動を信じていないという。こうした統計をみると、科学的根拠をもっと積み上げれば否定論者らの考えを変えることができるのではないかと考えるだろう。だが、イェール大学法学部のDan Kahan教授が行った調査によれば、科学的事実をつきつけるだけで解決できるものではないという(New York Times、Slashdot)。
Kahan教授が、宗教的信仰心の高い人とそうでない人に、信じるか信じないかは抜きに、進化論について知っているかとたずねたところ、信仰心の高い人とそうでない人との間には科学的知識の差がないことが分かったとのこと。つまり、信仰心の高い人が進化論を否定する傾向が強いのは、科学的事実を知らないからなのではなく、あえて信じないからなのだという。同様に、どんなに科学的根拠を並べたとしても、気候変動を否定する共和党支持者の考えを変えることはできない。
では、気候変動のような重要な問題を認めてもらうためにはどうすればよいのだろうか?Kahan教授によれば、政治的及び宗教的アイデンティティーと、科学的事実を信じるかどうかを切り離す必要があるとのこと。例えば、共和党支持者であっても、気候変動は人間の活動によって引き起こされたと信じてもよいということを明確にすることだという。だが、科学的事実の受け止め方が宗教や政治的に影響を受けてしまった場合、その結び目をほどくことは容易ではない。そのため、政治や宗教の指導者らが支持者に誤った事実を広めないようにしなくてはならないとのこと。
オカン (スコア:5, すばらしい洞察)
信仰心とか関係なく、論理的に説得できない人もいるよね。
オカンとか。
Re:オカン (スコア:1)
悪いのは(あるいは、「間違っているのは」)あんたであってあたしじゃないという宗教的レベルの確信があるからでしょう。
説得しちゃダメ (スコア:4, すばらしい洞察)
「説得」というのは「俺の考えに従え」と主張しているわけで、
それではコミュニケーションは成立しない。
相手に寄り添って、どうすれば、相手が納得してくれるか、考えるのが成功のコツ。
Re:説得しちゃダメ (スコア:1)
日本語においても得を説くことが説得だと思うので、納得してもらうプロセスと考えてよいのでは?
人間は理由が欲しいだけ (スコア:3, すばらしい洞察)
大半の人間が求めているのは「真実」ではなく「理由」だからじゃないかな。
たとえばリンゴが木から落ちる理由をニュートンは考えた。その結果万有引力に辿り着いた。
ただ、もし彼が神学者であれば、「それは神の手によるもの」と結論づけたかもしれない。
大切なのはこれが正しいかどうかではなく、彼が納得できる解答だったかどうか、という点だ。
上でも狂信的反原発志向について触れている人がいるけど、これも根は同じだと思う。
ある日突然、地震で家が壊れた。家財を失った。社会的インフラも破壊された。家族すら失った人も居る。
そんな状況であれば人間がストレスを感じるのは当たり前だし、そこから体調を崩してもおかしくはない。科学的にはそういうことになる。
だが彼らは(「不幸にして」とはあえて書かないが)原発のせいである、という流言飛語に行き当たった。そしてそれを信じた。
何故ならば「自分達が突然不幸な目に遭った」理由を容易に得ることができたからだ。
しかもそれは自分の不幸の責任を転嫁できるため、自身は被害者であり道徳的な強者である、という立ち位置になることすらできる。だからそれを信じてしまう。
そうなるともう、科学的にそんなことはあり得ない、と言われても今更宗旨替えする理由はない。欲しいのは「真実」というわけではなく、単に自分が納得できる「理由」なのだから。
むしろ「地震はマントルの変動が原因、福島は一部狂信者が言うほど汚染されているわけではない」と納得することは、居心地のいい自己憐憫を捨てることになる。ただでさえ失ったものが多く心が消耗している人にとって、それが困難であるのは致し方ないのかもしれない。
もちろん科学者のように切磋琢磨して「真実」に向かう人達も居る。でもそれは、彼らが求める「理由」に科学が含まれていないといけない、というだけで、たぶん彼らを真実探求に追い立てる原動力そのものは、科学の一部を否定する宗教家やデマに流される人々とそう変わらない。
だから科学を信じない人に信じさせるには、真実だとかそういうものではなく、科学を信じるメリットとしてもう少し現実的な利益を与える必要があると思う。もちろんそこまでして科学を信じさせることにメリットがあるかどうかは判らないけどね。
信仰心と進化論 (スコア:2)
もしかして進化論を否定することや科学的事実より宗教的事実を優先する傾向自体が信仰心の高さを測る基準になっていないのだろうか?
Re:信仰心と進化論 (スコア:1)
> 信仰心の高さと進化論を否定する傾向の相関
キリスト教圏の場合ですね。
仏教圏とか、儒教圏はどうなのだろう。
輪廻の世界に進化論。
ま、いいでしょう。どうせ元に戻る。
そう言えば、ヒンディーもあったか。
Re:信仰心と進化論 (スコア:1)
しかし、科学的事実より宗教的事実を優先する傾向自体が信仰心に由来しなくてなんなのでしょう?
もちろん両立させる人もいるだろうけど信仰心由来なのは間違いと思うのですが。
その前提だと「信仰心が高い人の信念が科学的事実に対する知識の量に左右されない」という命題はトートロジーに過ぎないのでは?という疑問です。
むしろ興味深いのは、ある仮説に対して「信じているかどうか」と「その仮説を裏付ける知識の量」が相関しないという結果でしょうね。
話の流れが、「進化論を信じない人はどれだけ客観的な事実を提示しても信じない」みたいな方向になってるけど、この研究か、分かることは、「進化論を信じている人も対した根拠なく信じている人がいる」っことじゃないかな。
まだ化学が (スコア:1)
客観的には成熟しきれていなくて、あらゆる事象を完全に記述できていないし、科学の成果であるアレコレで人が不幸になっている現状があるからじゃないすかね。
宗教の方はほぼ主観的な世界なので、信心が強ければそれだけで救われてそうだし。
Re:まだ化学が (スコア:1)
論理で人を説得しようという発想に根本的な無理があるんでしょ
科学が成熟しきって、あらゆる事象を完全に記述できるようになったとしても、
人を説得できるようになるんじゃなくて説得する必要がなくなるだけ
Re:まだ化学が (スコア:1)
>論理で人を説得しようという発想に根本的な無理があるんでしょ
人の感情による行動は常に論理によるそれを超えちゃいますからね
結果的に人が死ぬとか生命が大規模に死滅してしまうような局面でもそうしちゃってると歴史が物語ってる。
それこそが神(誰だよ)にプログラムされた人としての本能なんだろうし。
Re: (スコア:0)
論理だけだと苦しいが、実績や成果(再現実験含む)が伴っていると話は別だと思います。
科学的事実を並べるのは無駄かもしれませんが、科学的成果を実績として見せ付けられてころぶ大人の人はそれなりに多いと思うので。
進化論や気候変動は仕組みが複雑で成果が見えにくいところが説得力に力がない一因ではないでしょうかね。
Re: (スコア:0)
何度も再現実験見せられたら信じるよね。2つの例は再現させられないから眉唾になってるだけ。経済学者や歴史学者が未来を予測しても、誰も信じないのと同じ
Re: (スコア:0)
ビッグバン理論は再現実験できないから科学たり得ないってことでいいの?
Re:まだ化学が (スコア:1)
あれっ、こないだのがその再現実験だったよね?
三つ子の魂ってやつですかねぇ (スコア:1)
……つまり、親(最初にその手の質問を投げかけられる立場の人)が何を信じているか、(あるいは、教育程度か、子に対する真剣さ?)のせいってことか。
Re:三つ子の魂ってやつですかねぇ (スコア:1)
一概にそんな風に単純化はできんだろ。
もしそれが本当なら、科学が広まることは無かっただろうし、科学者が宗教に傾倒することもないわけだ。
でも、実際にはそうではない。
Re: (スコア:0)
その手の刷り込みは思春期というか反抗期あたりで一度ガラガラポンで崩壊するものだと思いますが。
むしろ、10代のどっちにでも転びそうな不安定な時期に、中二病の子供にきちんと対応することの重要性を感じます。
Re:三つ子の魂ってやつですかねぇ (スコア:2)
サンタの場合、親になったら自分がサンタになるという厳然たる事実を突きつけられますからねぇ…(なんだそれ)
実験で実証できない「自然科学」を2つも (スコア:1)
たいていの自然科学は、実験で実証できます。
進化論についても、昆虫や小型の哺乳類などでは実験で、ある程度までは実証済です。
しかし、人間のような寿命の長い哺乳類での実証実験は……(人権無視の国ならできそうだけど、たぶん実験が終了する前に国が倒れる)
気候変動のような地球規模の現象について、実証実験を行うのは、たぶん不可能。
(理論的には金星や火星で実験して~という手がありますけど、コスト的に無理)
# このような場合、論理的整合性とかで判断するしかないのですが、進化論はともかく、気候変動については、あやしいのが多すぎ……
notice : I ignore an anonymous contribution.
それはないよ (スコア:1)
>進化論についても、昆虫や小型の哺乳類などでは実験で、ある程度までは実証済です。
kwsk
それとも小進化と大進化を混同しているのかな。
「人間のような寿命の長い哺乳類での実証実験」なんて持ち出してこなくても、太古の生命のスープの中でタンパク質から最初の細胞がどのように誕生したかを科学的に説明できるのかね?
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
Re:それはないよ (スコア:1)
小進化・大進化なるものは単なる便宜上の区分けであって、そこに障壁などというものがあるという証拠はありません。
(そもそも種というのが分類上の都合。現実には永続的に交配可能な異種が存在するわけですし)
加えて、「太古の生命のスープの中でタンパク質から最初の細胞がどのように誕生したか」を説明するのは進化論の役割ではありません。
進化論の説明は、「地球上の生命全種には共通祖先が存在する」というところまでです。その共通祖先がどのように誕生したのかを探るのは別の学問です。
Re:それはないよ (スコア:1)
なるほど。では質問をかえよう。
植物はどのように光合成を獲得したのか。
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
タレこみの述べる「科学的事実」は、推論にすぎない (スコア:1)
なるほどね。これは進化論の範疇ではないとか、小進化と大進化に区別する必要はないという前提をもつあなたには説明できないというのが分かった。
以下、自己レス。
Special Story:光合成 ─ 生きものが作ってきた地球環境-BRH - JT生命誌研究館 [brh.co.jp]というページがある。進化論(進化学)にも諸説あるので、これが最新のものかどうかは知らないが、こういう説明がある。
とはいえ残念ながら、地球の自然界がこのプロセスを経たのかどうかはわからない。それは検証されていないからだ(つまり事実ではない)。
つまりタレこみが述べる「科学的事実」というのは、推論にすぎないということを言いたかったわけ。
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
Re:それはないよ (スコア:1)
まさにこのストーリーのタイトル通りですね。
一応様々な(反論に使える)知識も持っており、ただの信心深いお婆さんといったものじゃない。でも頑として受け容れない。
恐らくはそういう態度を取ることが遺伝子や模倣子の生存や増殖に有利になる環境条件がアメリカにも日本にも存在したし今も存在するのでしょう。
アメリカで進化論を信じないことに関しては競争社会の中でも個人の存在意義を持てることではないかと考えています、一種のややこしいコンプレックス。自分は社会的な成功者ではないが人間である、人間は特別な存在であり、その辺の虫けらや畜生と同じ原理に支配されている訳じゃない、「自分は特別な存在であり故に価値がある」そう信じたい。
別に進化の末の人間であっても、社会的に成功してなくても、個人個人は十分に尊い存在だと思うのですが、それじゃ嫌なんですね。
それになにより、進化論の言う適者生存というのは(無意識であっても)自分が適者の側でないと感じている人々には心地良い言葉ではありませんし。
Re:それはないよ (スコア:1)
それはたぶん「原始細胞の一部を壊した状態」がゴロゴロ浮かんだスープだと思われるので、
仮に目の前で実証実験を見せることができても「そりゃちょっと壊れた奴が直っただけじゃん」とか言われるだけなのでは。
期待されてるのは「ポタージュスープを煮込んでいたらトウモロコシがごろんと転がり出る」レベルの奇跡じゃないかと。
#無機物っぽいスープに電撃とか食らわせて有機物っぽいもの(≒生命の材料)を生み出す研究、ってのは昔からありますね。
最善の方法 (スコア:1)
嫁も (スコア:1)
ロジカルに説明しようとすると理屈っぽいと怒り受け入れてくれない。
思い込みを打破するのは難しいです。
いまさら (スコア:1)
分かりきった事だろが。
the.ACount
唯一の正しい観点から見れば、それ以外はすべて間違っている (スコア:1)
その「唯一の正しい観点」とやらが、
沢山あるからね(走召糸色木亥火暴)
"castigat ridendo mores" "Saxum volutum non obducitur musco"
喝破 (スコア:0)
人それを「バカの壁」と呼ぶ。
但し、キャッチフレーズ原考案者:養老孟司氏記述の意味とは、若干のズレがあるらしい。
気候変動の方は (スコア:0)
「人類の活動以外で気候が変動した科学的事実を知っているから」じゃないかなぁ。
二酸化炭素に温暖化作用があることは合意が取れてる気がするし。
Re:気候変動の方は (スコア:2)
「二酸化炭素量の増大が世界の気候変動を引き起こしている原因の一つと考えられている」
なら、科学的知識のある多くの人は「なるほど」と思うでしょう。
「世界の研究者は、二酸化炭素量の増大が世界の気候変動を引き起こしていることに満場一致で同意している」
なら、科学的知識のある多くの人は「えっ!?なにそれどこのデンパ系?」と思うでしょう。
ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
Re: (スコア:0)
科学的に出てきた事実を覚えていて、
それと似たようなことが起きているから今回もそうだろう、
という判断をするなら。
そこに科学的な思考は含まれてないですよ。
科学的な事実を覚えるのではなく検証していたならそれは科学的ですが、
それなら似ているから今回も、という発想にはならないでしょう。
いや温暖化が騒がれ始めた初期は確かに科学的に怪しかったと思いますけどね。
最近積み重ねている検証を見ると、そうでもないみたいですよ。
Re:気候変動の方は (スコア:2, すばらしい洞察)
> 個人の考え方で罵りあいをするなら2chにでもどうぞ。
2chでやってもいいけど、/.Jもそういう罵り合いには適した場だと思いますよ。
Re:気候変動の方は (スコア:1)
やっぱりここも罵り合いの場所ですね。
hylom曰く、科学は信じるもの (スコア:0)
hylomのような科学狂信者 [srad.jp]が、事実を踏まえた科学的な分析結果を否定し、科学がもたらした災悪に目を閉じることになっている。
繰り返す。科学は信じるものではない。実験や観測と検証を繰り返して、正しい結果を導きだすものだ。
気候変動を信じていない (スコア:0)
違う。気候変動に興味を持ってないだけ。
ここ100年くらいの気候変動ってのはあったんだろう。
それが人間の活動によるものだったってのもそうかもしれない。
で、それが何?
Re:気候変動を信じていない (スコア:4, おもしろおかしい)
それにつきますなあ。
フロンによるオゾン層破壊に関しては、南極のオゾンホールが知られるようになって数年でフロン規制の取り決めに至りました。
影響:直近で「皮膚ガンが増えるかも!」という個人レベルで目に見える脅威。特に、先進国(人口で白人優位な国家が多い)において。「それはやばい!」
対策:フロンの代替が現実的なコスト・技術でどうにか可能だった。「対策しなければ!」
一方、温室効果ガスによる気候変動がどうかというと:
影響:数世代後の気候がやばいことになりそう、というピンと来ない脅威。「ツバルが水没するっても、どこかで難民受け入れればよくね?」
対策:温室効果ガスの排出大幅削減とか現在の技術では無理ゲー。「今更、大昔の生活には戻れないしー」
さらに進化論にいたっては:
影響:否定しようが日常生活にこれといって影響がない。なら信じたいものを信じたほうがいいに決まってる。
対策:対策ってなんだよwww
…みたいな。
あるある (スコア:0)
考えたくないことから目をそらして考えないようにする、なんてのは良くある話です。
かく言う私も仕上げなければいけない仕事から目をそらしてスラドとかいうサイトに書き込んでいるわけで……。
強硬派を説得するな (スコア:0)
強硬な態度を取る人の説得なんてするものではありません。
民主主義なら態度を決めかねている中間層を取り込んで多数派を形成すれば良いだけ。
Re: (スコア:0)
民主主義って、衆愚暴力主義だからなぁ。
Re:強硬派を説得するな (スコア:1)
その端的な例が参院東京選挙区だわさ。
Re:強硬派を説得するな (スコア:1)
Re:強硬派を説得するな (スコア:1)
本来の民主主義は議論を尽くして少数派の意見もある程度くみ取れる妥協点を
探すものですが、今の世の中の民主主義は多数主義ですからね。
議論を省いて多数決をするというのは数の暴力ですね。
Re:強硬派を説得するな (スコア:1)
今でも部分的にはある。暴力はそれ自体が目立つだけだ。
あの手この手 (スコア:0)
理論的に真正面から勝負すれば負けるけど、
・科学者への人格攻撃や科学が間違っていた例を持ち出し、科学への信頼感を揺るがす
・真実は国や文化によって異なってあたりまえ、という論理を持ち出す
・あたかも科学的に見える理屈づけを持ち出す
・嘘も何度も繰り返し言えば本当になる
などなど、いろんなやりかたがありますね。
平均気温は上がってないのに (スコア:0)
氷が解けたと言い出す。全く意味が通らない。
温暖化したのではなく、気候変化が激しくなっただけですよね。そろそろCO2詐欺を認めましょうよ。
Re:平均気温は上がってないのに (スコア:1)
気象庁より:
世界の年平均気温 [jma.go.jp]
海面水温の長期変化傾向(全球平均) [jma.go.jp]
狂信的反原発主義者 (スコア:0)
さまざまな科学者による狂信的反原発主義者との対話を見てきたのでこの記事の正しさがわかる