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サイエンス

自然界では「協調」が生き残る道であるとは限らない? 60

ストーリー by hylom
外部的要因が多すぎる気も 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

ゲーム理論における「囚人のジレンマ」では、お互いが利己的な行動を取るよりも、お互いが協調した方がトータルとしてはよい利得が得られるとされている。しかし、物理学者Freeman Dysonとコンピューター科学者William Press氏という全く異なる分野の二人の研究者が、自然界においてはこのルールは当てはまらないのでは無いか、と主張している(QUANTA MAGAZINE論文Slashdot)。

囚人のジレンマは、自然界で長期的な協力体制が成立する説明に使われている。生物が利己的な裏切り行動をしているにもかかわらず、協力的コミュニティを構築できたのは、非協力的なものが自然淘汰されてきたからだと考えられてきた。しかし、Freeman Dyson氏とWilliam Press氏が数学的な見地からこれらを検証したところ、最適な戦略は個々の生物が利己的に動くことだと分かったという。

だが、自然界には特殊な協調行動の例が数多くある。たとえば、吸血コウモリは獲物を見つけるのに失敗した場合、コミュニティのメンバーに自分の血液を食事として寄付する。鳥や昆虫の一部は他種の雛を育てるのに役立っている。もし利己的な活動が最適な戦略であれば、何がこうした無私無欲の行為の原動力となるのだろうか、という点で両氏は頭を悩ませているという。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by CowardDuck (25674) on 2015年02月21日 3時04分 (#2765044)

    > 最適な戦略は個々の生物が利己的に動くこと

  • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 16時48分 (#2764727)

    最適解はもしかしたら「個々の生物が利己的に動くこと」かもしれないが、
    局所解として「特殊な協調行動」もあるのかもしれない。

    • 基本的にはこれだと思うんだけどな。
      生物は必ずしも「常に最適なもののみが生き残る」わけではないし、ある時期において不利な特徴が他の時期において有利であったこともあるだろうし、常に不利な特徴であっても存続が可能な程度のマイナスで済む場合もあるだろうし。
      「なんでこんな不利な特徴を持つ生物がこれまで生き残ってるの?」ってケースは散見される。
      他のコメントのハチやアリのように、「複数の個体が一塊として行動する生物」の場合、個々は利他的、「一塊」は利己的に行動する、と見ることもできるしね。

      あと国語と数学の関係の話として、”利己的”というのをどっからどこまで数学的に扱えているか、という問題もあると思うな。
      時間・距離的に目の前の利益を求めることだけが利己的なのか。
      目の前では多少損をしても長い目では自分に利益が見込める行動は利己的ではないのか。
      例えば「配偶者候補をレイプするのではなく餌を差し出す行為」は「餌を他人に渡すのだから利他的」なのか、「比較的安全に配偶者を得るという目的のためだから利己的」なのか。
      全然違うレイヤーの話を利己・利他という言葉でひっくるめて比較しているのではないのか。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        せっせと餌を差し出した石田純一はリコ的な遺伝子を残した

    • by Anonymous Coward

      利己的に振舞って、セックスの相手までセックスと出産に持ち込む前に絶滅させたら意味ないしね。
      セックスの相手確保するためとか、できた子供を生き延びさせるにはあるていど自己犠牲必要だし。
      #自動車道路に飛び出して「僕は死にません!」って宣言するとか理解できないだろう。

      ゲーム理論てそこパラメータ化してんのかね。
      ただ漫然と「自己保全」をパラメタライズしてるんだったら「どうなってんのこれ」と悩むのも致し方ないわ。
      #それとも、そういうことを現実の世界で悩まない層がゲーム理論を構築してるのかね。

  • 囚人のジレンマって「お互いが利己的な行動を取るよりも、お互いが協調した方がトータルとしてはよい利得が得られる」というのが答え(世界の構造)である、という話ではなくって、

    「そういうルールの下でも、個人は裏切りを選んでしまう」という、協調の難しさを語る言葉だと理解していたのですが…
    本当に「囚人のジレンマは、自然界で長期的な協力体制が成立する説明に使われ」ているのでしょうか?

    • by Anonymous Coward

      囚人のジレンマってのはたとえ話ではなくてゲーム理論における数学モデルの話だから、そういう教育的な説話の類いではないと思うけど。
      協調した方が利益になるようにモデルを組んだのに裏切るぞ、ではなくて、モデルを組んでから計算してみたら協調が最善手だったというだけだから、個人の反応とかはそもそも考慮に入れてないよ。
      心理学の問題じゃなくてあくまで数学の問題。

      # 確か、基本協調、裏切られたら裏切り返すというのが最善手だったような。

    • by Anonymous Coward

      ここでは有限回囚人のジレンマ(というゲーム)を行うことを指しているのだと思います。1回のみの試行なら協調は難しい、という結論になるはずですが、「複数回行って最終的な利得がどうなるか」という状況を生物の行動のモデルとしてシミュレーションしているわけです。

  • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 20時44分 (#2764877)

    成功者をなぞったって成功するとは限らないものね

    だから利己/利他に寄り過ぎてもうまくいくとは限らない

    たまたまうまくいって遺伝子にハードコーディングされた種もいるし
    うまくいかずにハードコーディングされなかった種もいるよと

    唯一絶対の正解を踏襲したら疫病一発で滅亡とかあるし
    多様性こそが生命の優位性じゃないでしょうかね

    # 信じる者は掬われる

  • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 16時14分 (#2764704)

    「動物は時としてコミュニティの利益に身を供する」
    で説明つくことでは?
    人間でも、野生動物でも、本能的にそういう性質を持ってるわけです。

    利己も利他も両方あって、
    どっちかが効率いいという考えがよくわからない。

    • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 17時05分 (#2764737)

      「なぜそういう性質を獲得したか」が重要なのです。
      恐らく環境や状況次第で利己的、利他的どちらがより効率的かは変わってくるため、それに応じた判定のしきい値が形成される、或いは利己的因子・利他的因子の勢力均衡が生じているのだと考えられます。

      また、時として陥りがちな罠ですが、「生物は現在見られる様態が現状に対する完成形では決してない」ということも重要です。
      無秩序な変異が常に変動する環境や状況或いは偶然によって選択され続けているわけで、常に「生物の様態は発展途上」であり続けますし、しばしば環境の変動に対して進化が追いつかない状態も生じます。
      どう考えても不都合としか考えられない行動や様態は、過去のある時点ある状況では有用であった(或いは不都合がなかった)可能性もあります。

      進化の結果がときとして不条理な行動を引き起こす事例は人間にもあてはまりますし、かなり一般的にみられる現象でもあります。
      たとえば「絵に対して欲情するあまり現実をおろそかにする」のは、本来その情熱を向けるべきところに向けていないわけで、明らかに性欲の不良箇所です。
      人類の種としての進化よりも人類文化や人類社会の発展のほうが遥かにはやいため、自ら適応しきれない状況を作り出してしまったわけです。
      これをもし異星人が見たら「絵に対して欲情することで彼らにどんなメリットがあるのだろう?」と頭を悩ませる可能性があります。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        おれ地球の作者だけどまさにそこ悩んでた

      • by Anonymous Coward

        「現実をおろそかにする」が絵に欲情しなくても起こりうる結果と考えると(つまりモテない)、
        絵に欲情するという行動は、発情しても自由にメスにアプローチ出来ない人間にとっては、
        合理的な進化ではないでしょうかね。へたにメスにアプローチすると刑務所行き…

    • by adeu (2937) on 2015年02月20日 16時21分 (#2764710)
      食料が豊富にあるときは協調しなくても個々を維持して種が保存できるし、少ない時はそれに応じて協調的な行動を取るほうが種族全体を維持しやすい、とかんがえる方がいいように思う
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 16時48分 (#2764729)

      だからどうやってそういう本能を持つに至ったかという話だろう、ここで話されているのは。
      遺伝子の存続に有利な行動をとる個体がより繁栄して、その結果、そういう行動がその種の本能として刻み込まれるようになっていく。

      で、数学的解析では利己的行動が生存に有利に働くと判って、自然淘汰の考え方に倣うなら、
      当然その利己的な行動指針が本能として組み込まれるはずなのに、
      なぜ利他的な行動を示す実例が存在するのか、というのが彼らの悩み。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        その本能が発動するキーがあって、貯めこんでる本能?がその条件に応じて発動するんじゃね?

        • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 17時21分 (#2764746)

          だから、何故その本能が出来たかというのが疑問だというのがこのトピックだろ。
          本能というのは神様か誰かが書き込んでるとでも思ってるの?

          生存に有利な条件でない(数学的な解析では)行動指針が、何故本能に存在するに至ったかという話。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            不利な形質を持った生物は即座に淘汰されるわけではなく少数生き残る事だってあるし、それら有利不利のシーソーが時代や環境によって互いに振れ続ければ中には両方に対応できる生物も出てくるでしょう。
            そしてそれは両方の環境に対応できるので最終的には支配的になる。そういう解釈は別に意外でもないと思います。
            この研究者がそういう解釈をしなかったのか、理由があって却下したのかはわかりませんが。

          • by Anonymous Coward

            そんなの成功体験に決まってるだろうが
            なんで神様が出てくんだよ

            記憶と一緒で、一世代限りの短期タイプと、次世代にも伝わる長期タイプがあるんだろうな

    • by Anonymous Coward

      数学的に最適ではない行動をするものが生き残っている、
      その理由とはなにか?

      その数学モデルが完全じゃないのか、それとも淘汰という考え方そのものが
      まちがってるのではないか?

      効率がいい悪いなんて話してませんよ。

      • by Anonymous Coward

        淘汰の概念それ自体は間違っているとは考え得ないと思います。
        品種改良された家畜や愛玩動物といったものは、人為的な観点から淘汰圧を操作している事例なのです。
        ただ、淘汰自体は自然環境だったり天敵だったりウイルスだったり異性だったり人為操作だったり細胞の組成だったり色々なわけで、これら全てをパラメータ化して分析するのは、控えめにいっても非常に困難でしょう。

        また、遺伝子の変異はコピーミスによるズレや欠損、重複などで生じるため、大きなメリットを持った変異と隣り合った小さなデメリットが(一緒にコピーされるなどして)相乗りする可能性も

  • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 17時10分 (#2764739)

    ミツバチとかアリとか、
    明らかに、個々の個体が利己的に振る舞ったら成り立たない生物もいるよね。
    本当に利己的な行動が最適解なの?
    利己的も利他的もどちらが優位かは誤差の範囲だったりしないだろうか。

    あるいは細胞レベルでみると、アポトーシスとかあるし、
    多細胞生物の細胞を1つの生物と見なすと、利他的な方が全体として有利なんじゃない?

    • 利己的なのは種や個体ではなく、遺伝子だってのはリチャード・ドーキンスの有名な著書の売り文句でしたね。

      とりわけハチ目のコロニーは、全体がおなじ女王蜂(蟻)の兄弟で、互いに多くの遺伝子を共有している。
      そのなかでの、利他的な振る舞いは自分自身の子孫(遺伝子)を残すことにおおいに役立つ。
      (なんと、女王蜂自身よりも働き蜂の方が、女王蜂の子供(甥っ子)と遺伝的に近い)

      親が子供に対して献身的になるのと同じ。
      コウモリの行動も同じ。

      親コメント
    • 不稔のメスが「利他的」に見えるのは、その方が自分の遺伝子を残す確率が上がる→実は利己的だって説もありますから。
      基本1シーズンで寿命が終わるスズメバチとかは、女王が交尾した時に受け取った精子を使い果たして雄しか生まなくなったら、つまり働きバチが持つ父方の遺伝子がなくなったら、女王を殺します。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      「じっくり観察するとアリは協調なんかしてない」ってファインマン君が言ってましたー。
      みんなで協力して餌を巣に運んでるように見えてお互い別々の方向に引っ張ったり餌の上に上ったりしていると。

      フェロモンを辿って巣に帰るという共通特性が最終的に餌を持ち帰らせるだけで利他的とは言えないんじゃないかな?

      • 個体の行動自体だって、各細胞の「協調動作」ではなく発火・抑制の組み合わせで結果的に個体にとって合理的な行動が生み出されているわけですし。

        ここで問題なのは、みんなの勝手な行動が収斂した結果が集団にとって望ましい行動になるのはなんで?ってことではないですか。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          それを言い出すと、人間社会もみんなの勝手な行動が収斂した結果になりそう。
          人間には意思なるものがあるから一見協調しているように見えるけど、
          単に情報処理が高度に複雑化しているだけで、根本的には細胞の発火・抑制と何ら変わりはなかったりして。
          利己的・利他的って区別も実際は明確に区別できるものではないってオチですかね?

          • by Anonymous Coward

            まぁ、それを詩的に表現すると神の見えざる手とかいうんだよね。

    • by Anonymous Coward

      ミツバチやアリはコロニー全体を一個体とみなしたほうが進化的にも遺伝子的にも方がわかりやすい
      超個体 [wikipedia.org])

      # アニメ寄生獣の利己的遺伝子の講義のくだりでミツバチの社会性を持ち出した時は違和感を感じたよ。
      # DNA スキャナほどでもないが。

  • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 17時16分 (#2764743)

    ゲーム理論における「囚人のジレンマ」では、お互いが利己的な行動を取るよりも、お互いが協調した方がトータルとしてはよい利得が得られるとされている。

    ここらへん勘違いしてる人が多いですね。あれは協調したほうが得になるようにルールが設定されているんです。

    その上で「コミュニケーションが制限されている状況下でどうやって協調に至るか」というのが囚人のジレンマというゲームなんで、ほんとうに協調が得かどうかはまた別の話です。

    • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 18時07分 (#2764773)
      あなたも勘違いというかポイントを外しているような・・・
      ここで問題になってるのは無限回繰り返し型の囚人のジレンマ [wikipedia.org]なので、1回限りなら利己行動が最適でも繰り返しならそうとは限らない(と思われていた)ケースです
      # ストーリーの書き方がすごく悪いんだけど、英語の元記事もそうだからしかたないね
      あ、元論文のリンクが変だけどたぶんこれ [nih.gov]ね
      ちゃんと"Iterated Prisoner's Dilemma"と書いてある

      で、IPDでは単純な最適戦略はなくて協調も起こりうる、と考えられてたんだけど
      実は相手の戦略がなんであれ、スコア比が一定になるように追い込める戦略が存在して、その場合そいつに対抗する最適戦略は全く協調しないことだった・・・ということみたいよ

      DysonさんとPressさんはそこまでしか言ってないので、「自然界においてはこのルールは当てはまらないのでは無いか、と主張」なんてしてない気がする
      むしろ

      It is worth contemplating that, though an evolutionary player Y is so easily beaten within the confines of the IPD game, it is exactly evolution, on the hugely larger canvas of DNA-based life, that ultimately has produced X, the player with the mind.

      「シミュレーションじゃこうなるけど、IPD上で進化させたあらゆる戦略の上を行く戦略を思いついたのはDNAベースで進化した生命(の我々)だからね」(自然界っつーのはIPDの結果だけで説明できるもんじゃないんだよ)
      と言いたがっている気がする

      親コメント
    • by yasuchiyo (11756) on 2015年02月20日 18時30分 (#2764791) 日記

      私の知ってる範囲では、最強はtit fot tat戦略だってことだったような気がします。

      まぁ利得設定によってはどんな結果にでも落とし込めるので、その設定は「現実」をどのくらい反映してるの?
      ってところがわからないとお遊び以上の意味はないですね。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      じゃあ私は違う方向から突っ込みを…。
      #うん、考えすぎるとたまに起きる勘違いだな

      >あれは協調したほうが得になるようにルールが設定されているんです。
      その設定も含めて「囚人のジレンマ」なんです。その設定が無ければそもそもジレンマが発生しません。

      >その上で「コミュニケーションが制限されている状況下でどうやって協調に至るか」というのが囚人のジレンマというゲーム
      ゲーム理論と言われていますが「どうやって協調を目指すか」というものが囚人のジレンマではありません。

      「利己」「利他」と言う言葉が出る理論ですが、個人的に「損」という言葉を使ったほうが説明しやすいの

  • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 17時19分 (#2764745)

    利己的の「己」を個体ではなく遺伝子として捉えると、一見利他的に感じられる動物の行動も利己的と解釈できる、というのがドーキンス先生らのご意見じゃなかったですかね?

    • by Anonymous Coward

      遺伝子単位の利己性というのを考慮に入れたモデル化で、利他的に感じられる遺伝子パターンが生き残る現象を説明出来そう。
      実際に計算してみたら、そのような計算結果を導けた。

      と言うのが、利己的な遺伝子の話で、別のモデル化をしたらそのような結果にはならなかった、と言うのが今回の話なんじゃない?

      以前のものより簡素なモデルにしましたってな研究ありえないだろうから、
      以前は計算の都合で省略していた部分まで詳細に盛り込んだら結果が違うよ、とか。

      実際問題、モデル化のやり方がいくらでもありすぎるので、細かい個々の最先端研究をフォローしてもあんまり利はないと思う。

    • by Anonymous Coward
      その本の中で、利己的なタカ派と協調的なハト派を共存させると、それぞれどの程度子孫を残せるか?
      といったようなモデルで説明されていました。(違う本だったか?)
      結論としては、タカがハトを駆逐するのではなく、ある割合(割とハトが多い)に収束するということでした。
      さらにいくつかの戦略モデルを競合させたところ、気のいいナイスガイが最も有利だとか何とか。うろ覚えです。

      囚人のジレンマというより、タカハトゲーム [wikipedia.org]ですね。
      • by Anonymous Coward

        タカとハトでは到底鵜呑みにできないな

        タカ派とユージ派を共存させるとあぶない…

  • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 17時30分 (#2764751)

    そんなのとうの昔にわかってる。
    もっとも、協調行動が必要な場合もあることに今でも気づいていない人もいるらしいが…

  • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 17時34分 (#2764752)

    コウモリの例の利他的行為って、自分は獲物が捕れない役立たずの個体です、
    皆様の食料になるぐらいしか役に立てません、と自ら身を差し出すという意味?

    それは確かに、どう進化するとそうなるのか不思議。

    • by Anonymous Coward

      >皆様の食料になるぐらいしか役に立てません、と自ら身を差し出すという意味?

      獲物から吸って持ち(?)帰った血を口移しで分け与えるという意味です。

      • by Anonymous Coward

        https://www.quantamagazine.org/20150212-game-theory-calls-cooperation-... [quantamagazine.org]

        >For example, vampire bats donate some of their blood meal to community members that fail to find prey.

        >たとえば、吸血コウモリは獲物を見つけるのに失敗した場合、コミュニティのメンバーに自分の血液を食事として寄付する

        ほとんど機械翻訳そのままですな。

        • by Anonymous Coward

          なるほど、ただの誤訳でしたか。とんでもない生態の生き物が居るもんだと混乱しました。

  • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 18時18分 (#2764784)

    「囚人のジレンマ」で説明されるんじゃなくて、「淘汰圧は個体単位ではなく遺伝子単位で働く」ということで説明されるものと思っていたけど。

    つまりある生物の「群れ」では各個体間で共通な遺伝子を持っている割合が高い。
    自分が犠牲になることによって、他の個体が持つ自分と共通する遺伝子が生き残る可能性が高くなるなら、
    その個体は自分を犠牲にして他を助ける行動をとることもありうる、という話。

    親が子を守るために自分を犠牲にすることなどは、これで説明できる。
    遺伝子は、自分の遺伝情報が生き延びるためには、自分が現在乗っかっている個体を犠牲にしてでも
    他の(共通な遺伝子をもつ)個体を生き延びさせて遺伝情報を次世代へ残そうとする

    遺伝子にとって個体の死は(他の個体が同じ遺伝情報を持っていて生き延びてくれるなら)どーでもいい。
    いわゆる「利己的な遺伝子」説。

    だから、「数学的な見地からこれらを検証」といっても、そもそも検討するアルゴリズムが間違ってませんか?と思うんだけど。
    個体が生き延びるかどうかではなく、その中の遺伝子が次世代に引き継がれるかどうかをシミュレーションしてみても、
    やっぱり利己的な行動が最適解になるんだろうか?

    • by Anonymous Coward

      私は生物学は授業を受けたり,本を読んでかじっただけですけど,同じ印象を持ちました。おっしゃっているのは,血縁淘汰ですね。
      「血縁淘汰」+ゲーム理論ということになると,メイナードスミスの「進化的に安定な戦略(ESS)」ですか。「進化とゲーム理論」昔読んだけれど,よくわからなかった。。。

      それで,「血縁淘汰」などの生物系の議論を無視しているのかと思って,英語が不自由なために,長くて全部読めないので検索をかけたところ:

      Researchers have proposed different possible mechanisms to explain cooperation. Kin selection (血縁淘

      • ESSは、少数の突然変異が生じたとしても、そうした変異を淘汰できる安定的な戦略というのが定義なので、ESSそのものは血縁淘汰とは独立な概念ですよ。
        メイナード・スミスの貢献も、血縁淘汰+ESSという新しい分析方法を確立したと考えることができます。

        元論文は頭だけチラ見しましたけど、有限オートマトンに無限繰り返し囚人のジレンマを対戦させたときの新しい数学的性質を発見したよーという感じでしょうか。
        オートマトンを用いた囚人のジレンマ研究というのは90年代に盛んに行われていて、進化ゲームが流行してからはすっかり下火になってしまった印象がありますね。

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 18時25分 (#2764788)

    相利共生はその共生利益によって種が繁栄するというより、共生相手が利益を得て繁栄することでその環境が安定維持すると考えてみるのはどうか。
    利己的な行動、例えば捕食は優れた手段のように見えて、相手の数が大きく減るほど自分が繁栄したら環境は一気に不安定化してしまう。

    #どういうモデルか知らないけど、生物は人間が考えるより「ニッチ」な環境で生きているんじゃないの?

  • by Anonymous Coward on 2015年02月20日 19時59分 (#2764844)

    NHK BS1
    見えざる力“植物の帝国” 第2回 対話

    ウスキツリフネが同じ親株から出た一族と、それ以外の余所者を
    根で見分けているのを発見しました。
    余所者の根に触れると葉を大きく成長させるのです。

    ウスキツリフネは周囲に余所者がいないか積極的に調べています。
    同じ種の植物であっても、それが余所者だと、競う様に葉を大きく成長させ
    相手の陰に入らないようにします。

    しかし根が同じ親株から出た自分の一族に触れると、全く異なる反応を示します。
    ウスキツリフネは、どの株が自分の一族なのか知っています。
    そして一族とは競争を避け、共存して行こうとするのです。

    一族同士は同じ遺伝子を持っているので、こうする事で植物は自分の遺伝子を
    より確かに次の世代に引き継ぐ事が出来るのです。

    ウスキツリフネは、根を使って周囲を認識し一族だと分かると、優しく振舞っていたのです。

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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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